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ハロウィン大会 〜準備期間機

「「「ハロウィン大会ぃ〜!?」」」
社会部の部室である資料室から叫び声があがった。

ハロウィン大会とは、(高等部だけの)毎年恒例行事の一つである。
毎回10月31日に校内で行われるのだ。
生徒会は一週間も前に(理事とともに)10日前からその計画を企てていたのだ。
そして、その事は開催一週間前になって初めて社会部に知らされるのだ。
案の定、社会部全員がいやな顔をした。
「またかよ」と、不貞腐れた始。
「去年散々だったじゃ〜ん」
と、中等部の頃から何かと付き合わされていた春は疲れきった顔で嘆いた。
「ちょっとでもルール変えたら?」と、殆ど他人事のようなな茉莉。

「はい!黙れ♪」

雛子が口々に愚痴を零す社会部員に鶴の一声をあびせた。
社会部の殆どが雛子を睨んだ。

「これは木更津理事長の命令よ♪」
「っつっても、素直に聞く社会部じゃねぇもんな。」
雛子の後ろから、河村誠が姿を現した。

「…貴様にだけは言われたくないぞ、誠。」
部屋の窓際に立っている猪木孝文がそう言い放った。
確かに、社会部の誰よりも融通が利かないのが生徒会。
そして、その中で最も融通が利かないのがこの河村誠だ。
誠は、クックッと喉を鳴らした。
「ま、今回オレ達は関係ないもんな」
鼻息であしらう誠に、ついに春がきれ、誠に指を刺し早口で叫んだ。
「初歩的言葉魔法[マジカルマジック]発動!小・天・誅ぅ!!」
軽く手のひらサイズの火の玉が勢いよく誠の顎に直撃し、誠は倒れた。
 それを雛子が引きずって生徒会室まで持っていった。
「フン!初歩的でくたばるなんて弱いわね」
「あらぁ〜、打ち所でも悪かったのかしらぁ?」
「良い音がしたような…」
「別に言葉呪文「スペリア」でも良かったのに」
「しかも、小だなんて…春ちゃん、もうちょっと大きくても良かったのよぉ?」
「何を仰る!河村ちゃん如きにスペリア使うだなんて、勿体無いわよ。無駄な力の浪費だわ」

 桜子が資料室から顔を出し、周りに誰もいないことを確認した後、部員全員が全ての扉、窓、そしてカーテンまでもを完全に閉め、誰からも見られないようにした。
 そして、会議体制に入った。
 と言っても、始と佑二が教卓に立ち、他の部員たちは広い長机を取り囲むように座り、長机を取り囲んだ部員たちはトランプで遊んでいた。
「えー、今年のハロウィン大会は、今年も予定通り10月最終週の月曜日に行われます。」
 雛子から貰った用紙を片手に佑二が仕切る。
「去年と、ルールも注意事項も全くの変更は無し!」
「ま、どうせ変える気は無いだろうよ」と凍矢。
「と言うか、今回…邪魔者とかは控えて欲しいなぁ…」
ぼそりと願望を呟く朱氷。
それにキッパリと言い放つ孝文。
「それは無理だろうな」
「あ、やっぱり?」

「チーム分けの件だが…去年と同様、春と久保田は絶対に同じチームになってもらう。」
「今回も西の関門かな?」
「今回は北だそうだ。」
社会部は、それぞれの関門の役目をしなければならない。
「はいはーい!」
春が、手を挙げた。
「何だ?」
「お菓子の入ったジャック・オ・ランタンを動かしても良いですかぁ?」
「お菓子がこぼれない程度にな」
「と言うか、動かすのはほんの少しだけで良いんだぞ?」
と、始は春に指摘した。
「解ってるって、兄(あに)ちゃん♪」
その言葉に不安を覚えている始を余所に、春は手を下ろした。
「じゃあ、はい!」
次に朱氷が手を挙げた。
「はい、どうぞ」
「あのぉ…今回の買出しとかってぇ…誰が行くんですかぁ?」
「「「あ」」」
部員たちはピタリとゲームの手を止めた。
「かっ…かみし…」
 凍矢が”上下亨”の名前を言おうとすると、皆がそれをあわてて止めた。
「え!だっ駄目駄目!!上下ちゃんになんか頼んじゃ駄目ぇ!!」
「いけませんわよ!相良先輩!」
「お前、覚えていないのか?あの時の事を!」

あの時の事とは…
 半年前、一度だけ社会部は上下に折り紙などの文具の買出しに行かせたのだ。
 すると1kmほどしか離れていない場所に行ったきり5時間ほど帰ってこなかったのだ。
 待ちくたびれた社会部の目の前に、ボロ雑巾のような上下が何やら頼んだものとは違う大きなものを背負って帰ってきた。
「かみ…した…ちゃん?」
春がぎょっと目を見開いてボロ雑巾のような男を観た。
「どう観ても…折り紙じゃないだろ;;」と、始。
「他に何を頼んだっけ?」と、佐野助に聞く桜子。
「折り紙と…あとはノートと絹糸…だけだったと思うんだが…」
と、指を折りながら買出しの内容を思い出す佐野助。
「どれにも当てはまらない気がするんだが…」冷や汗しかかけない孝文。
上下が背負って帰ってきたもの…それは

「まぁさか、A2程の大きさのキャンバスと色鉛筆と(生きていた)蚕だったとはなぁ」
あの光景は、社会部部員だけではなく生徒会までもが苦い顔をしていた。
上下亨は、生徒会の中でも一二を争う程の、極度の方向音痴と鳥頭の持ち主だ。
そのような奴には、二度と頼むまいと部員全員が心に誓ったのだった。
「じゃあ、どうする?買出し係をこのメンバーの中で決めるか?」
「そっちの方が良いかもね;」
じゃあ、と言って冬が1枚の紙を取り出して、2分でくじを作った。
「この中に、3つアタリ(もしくはハズレ)が入っているわ。それを引いた人が今回の買出し係ねv」
皆がいっせいにくじを引いた。
その結果。
相良凍矢、峰埼麻緒、紅葉寺春が今回の買出し係となった。
「じゃ、明日明後日はこっちをしてもらうから、週末金曜日の放課後、部活終了時刻までには帰ってくるように!」
「へーい」
「うん、解った」
「了解」
こうして、金曜日の放課後、3人は理事長に頼んで1万5千円を貰って買出しに行くことにした。
行く前に、あれ買って来てこれ買って来てとお菓子の他にも余計なものまで言い出したので、凍矢が「必要最低限のものしか買いませんので」と言い残すと、木更津は喋るのを止めてにこやかにこちらにむかって手を振った。


 〜続〜
ユズキ * 柿生学園騒動記 * 21:16 * comments(0) * trackbacks(0)

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