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招待状〜イベントへの誘い準備期間〜 

 そして、放課後。
 社会部一同は、いつも通り資料室に来ていた。
「…で、あたしはどっちの練習をすれば良いのかしらぁ?」
 春が、左手にバイオリンを持ち、右手でピアノを指差して部員全員に問うた。
「「「両方だろ。」」」
 その全員が声を揃えて即答した。
「何だ、春。そのバイオリンが気に食わないのなら、(音楽教師の)百合宮からストラディバリウスでもグァルネリウスでも借りてきてやるぞ?」
「勿論、ピアノだって、高価なグランドピアノ使わせてくれるみたいだしぃ」
「お気遣い、どうも有り難う“」
 春は、頭痛で悩まされる素振りをした。
 正に他人事の様にあしらわれた感じがして、何も言えなかったのだ。
 春は資料室にある電子オルガンの椅子に腰掛けた。
 資料室は、社会部の部室である以前に、少し前の書物などが置かれてある所謂物置部屋だったのだ。
 社会部が出来た頃に、理事長からその部屋を使っても良いと言うお許しが出たので、今ではもう社会部のものだ。
 勿論、そこにある書物や器具は使わないものばかりなので、社会部の所有物となっている。
「何、弾けば良いの?」
「展覧会の絵」
「楽譜あるなら貸して。」
 春が楽譜を求めると、茉莉は意外そうな顔をして彼女を見た。
「何?もう忘れたの?あの曲は、確か環先輩が好きだった曲じゃなかった…」
「環ちゃんが好きなのは、ショパンの曲。」
 環とは、社会部を立ち上げ、去年まで社会部の部長を務めていた先輩だ。
「それに、あたしは忘れたんじゃなくて確認の為。楽譜読ませてくれるくらいはしてくれたって良いんじゃないの?」
「春ぅ、楽譜は此処にあるから。」
「あー、はいはい。」
 春は、元々バイオリンは幼い頃からやっているが、ピアノは2.3年前に興味本位だけでやり始めたのだが、何故か今に至っては「弾け」と言われるばかりだ。
 興味本位の原因は、その“環”だった。

「今日の部活の内容は、コレだ。」
 春の練習が終わった後、部長の始は仕切り始めた。
 内容と言って、見せたものは、朝方に茉莉や朱氷も貰った手紙だった。
 この手紙は、社会部全員に配られていた。
「これの中身を見た奴は、知っていると思うが――」
「あーあ、アイツらも懲りないねェ。」
 何を隠そう、社交部の主催するパーティの招待状の中に、D−ドミノからの挑戦状が入っていたのだ。
 だが、如何やらそれが入り混じってあるのは、社会部だけらしいので公には知られていないようだ。
「俺たちの所には、平穏なイベントは行われないものかねぇ。」
 凍矢が呆れ混じりにぼやくと、普段は寡黙な孝文が素っ気無く答えた。
「…この部に入っている限りは、無いだろうな。…諦めろ。」
「ところで、何読んでるんです?孝先輩。」
 凍矢は、孝文が読んでいる雑誌が気になった。
「…ああ、これか。」
開いていた雑誌を閉じて、凍矢に表紙を見せた。
それは、女性用ドレスの雑誌だった。
「…紅葉寺に頼まれていてな。今度のパーティに着ていくためのものを考えるからと言って、俺に意見を求めてきたのでな。…一緒に見るか?」
「いえ、遠慮しておきます。」
 何故、冬が孝文にそんなことを頼んだのか分からなく、その上で自分が巻き添えを食らうのも嫌なので早急に断った。
「そうそう、パーティって言ったら、春ちゃんと麻緒ちゃんと桜子ちゃんは、中等部2年の頃からお誘いがあったんですってねぇ。面識とかあったの?」
 社交部のダンスパーティは、元々高等部の生徒が中心的に誘われるイベントなので、中等部の生徒が誘われることなんて、滅多に無いのだ。
 春と麻緒と桜子だけが、中等部の頃から必然的に興味を示されていたらしい。
「いや、全然。」と、麻緒。
「気付いたら、誘われていたし。」と、春。
「まぁ、兄さんから部の名前は聞いたことがある位しか…」と桜子。
 時折、社交部の奴らの考えていることが分からないときがある。
 だが、彼らのやった事に間違った様な事はそんなに無かった。
 彼らは、たまに気紛れで行動しているので、社会部と馬が合うらしい。
 部が設立したときから仲が良かった。

ユズキ * 柿生学園騒動記 * 12:54 * comments(0) * trackbacks(2)

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