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スウィート・ヴァレンタイン

+2月14日+

 今日は、多くの女子や男子にとって待ちに待ったバレンタインの日。
 チョコをくれるや否やで浮かれ気分の生徒たちを見下ろすは、屋上に身を隠すD−ドミノの1人。
「クククッ……。今日も、この浮かれきった柿生の連中に目にもの見せてやる」
 その背後に、同じ恰好をした少女がやってきた。
「フフッ♪今日は、やけにはりきってるわね。ま、アンタに甘いものを恵んでくれるチョ〜お優しい方なんて現れることは一生かかってもいないと思うけど?」
「黙れ、ミカ。」
「は〜いはい。じゃ、今日の放課後。忘れないでよね?」
 ミカと呼ばれた少女は、先に姿を消した。
 後に続こうと思い、一瞬だけ下を見ると、其処にはD-ドミノがJOKERと呼ぶ、社会部の中でも最も警戒している女生徒と社交部の姿が目に入った。
「社交部…そして社会部…覚悟しておけよ」

 そして、放課後。
 柿生学園の高等部の中央にある、大広間にドレスやタキシードを着た生徒たちが集まっていた。
 勿論、制服の生徒や興味本位で参加した先生も何人かはいた。
 学園の時計台の時計が16時の鐘を鳴らすと、ガヤガヤしていた生徒たちの声が止んだ。
「レディース、アーンド、ジェントルメン!!ようこそおいで下さいました。」
 声のする方を向くと、其処には社交部がいた。
「今日は時間が許す限り、思う存分パーティをお楽しみ下さい」
その一言を合図にグランドピアノとヴァイオリンが大広間に響き渡った。
「それと、1時間後には、ダンスコンテストを行いまーす」
「一番優秀なカップルorコンビには、素敵な商品が贈呈されます」
そう言って出てきたのが、部長の蘇芳咲と副部長の美濃輪だった。
「今日のパーティにお越しの皆さん」
「素敵なお時間を」
「「お過ごし下さい。」」
 そして、パーティは、開催された。
 テーブルには、チョコレートを使った菓子が沢山置いてあった。
 殆どが、ショコラティエ紅葉寺秋の手作りだと言う。
 それを頬張るは、ほぼ食い意地の張った社会部の面子。
 彼らが5人集まれば、大きなチョコレートケーキも数分で平らげてしまうほどだ。
 このパーティが終わるのは、19時の鐘が鳴るまで。
 それまで、社会部と社交部は、いつD−ドミノがこの場を荒らしにくるのかとパーティを楽しみながら、少しばかり警戒をしていた。
 その所為か、大広間には少しばかり緊張が走っていた。
 その最中、茉莉と春は窓の外にいた。
 如何やら、外の見張りをしているようだ。
 春は小皿に盛り付けてあるチョコレートシフォンをフォークで突付きながら、一方の茉莉はチョコレートではなく色んな形の鼈甲飴(これも勿論紅葉寺秋の手作り)を舐めていた。
 二人とも、暇そうに。

ユズキ * 柿生学園騒動記 * 00:23 * comments(5) * trackbacks(1)

招待状〜イベントへの誘い準備期間〜 

 そして、放課後。
 社会部一同は、いつも通り資料室に来ていた。
「…で、あたしはどっちの練習をすれば良いのかしらぁ?」
 春が、左手にバイオリンを持ち、右手でピアノを指差して部員全員に問うた。
「「「両方だろ。」」」
 その全員が声を揃えて即答した。
「何だ、春。そのバイオリンが気に食わないのなら、(音楽教師の)百合宮からストラディバリウスでもグァルネリウスでも借りてきてやるぞ?」
「勿論、ピアノだって、高価なグランドピアノ使わせてくれるみたいだしぃ」
「お気遣い、どうも有り難う“」
 春は、頭痛で悩まされる素振りをした。
 正に他人事の様にあしらわれた感じがして、何も言えなかったのだ。
 春は資料室にある電子オルガンの椅子に腰掛けた。
 資料室は、社会部の部室である以前に、少し前の書物などが置かれてある所謂物置部屋だったのだ。
 社会部が出来た頃に、理事長からその部屋を使っても良いと言うお許しが出たので、今ではもう社会部のものだ。
 勿論、そこにある書物や器具は使わないものばかりなので、社会部の所有物となっている。
「何、弾けば良いの?」
「展覧会の絵」
「楽譜あるなら貸して。」
 春が楽譜を求めると、茉莉は意外そうな顔をして彼女を見た。
「何?もう忘れたの?あの曲は、確か環先輩が好きだった曲じゃなかった…」
「環ちゃんが好きなのは、ショパンの曲。」
 環とは、社会部を立ち上げ、去年まで社会部の部長を務めていた先輩だ。
「それに、あたしは忘れたんじゃなくて確認の為。楽譜読ませてくれるくらいはしてくれたって良いんじゃないの?」
「春ぅ、楽譜は此処にあるから。」
「あー、はいはい。」
 春は、元々バイオリンは幼い頃からやっているが、ピアノは2.3年前に興味本位だけでやり始めたのだが、何故か今に至っては「弾け」と言われるばかりだ。
 興味本位の原因は、その“環”だった。

「今日の部活の内容は、コレだ。」
 春の練習が終わった後、部長の始は仕切り始めた。
 内容と言って、見せたものは、朝方に茉莉や朱氷も貰った手紙だった。
 この手紙は、社会部全員に配られていた。
「これの中身を見た奴は、知っていると思うが――」
「あーあ、アイツらも懲りないねェ。」
 何を隠そう、社交部の主催するパーティの招待状の中に、D−ドミノからの挑戦状が入っていたのだ。
 だが、如何やらそれが入り混じってあるのは、社会部だけらしいので公には知られていないようだ。
「俺たちの所には、平穏なイベントは行われないものかねぇ。」
 凍矢が呆れ混じりにぼやくと、普段は寡黙な孝文が素っ気無く答えた。
「…この部に入っている限りは、無いだろうな。…諦めろ。」
「ところで、何読んでるんです?孝先輩。」
 凍矢は、孝文が読んでいる雑誌が気になった。
「…ああ、これか。」
開いていた雑誌を閉じて、凍矢に表紙を見せた。
それは、女性用ドレスの雑誌だった。
「…紅葉寺に頼まれていてな。今度のパーティに着ていくためのものを考えるからと言って、俺に意見を求めてきたのでな。…一緒に見るか?」
「いえ、遠慮しておきます。」
 何故、冬が孝文にそんなことを頼んだのか分からなく、その上で自分が巻き添えを食らうのも嫌なので早急に断った。
「そうそう、パーティって言ったら、春ちゃんと麻緒ちゃんと桜子ちゃんは、中等部2年の頃からお誘いがあったんですってねぇ。面識とかあったの?」
 社交部のダンスパーティは、元々高等部の生徒が中心的に誘われるイベントなので、中等部の生徒が誘われることなんて、滅多に無いのだ。
 春と麻緒と桜子だけが、中等部の頃から必然的に興味を示されていたらしい。
「いや、全然。」と、麻緒。
「気付いたら、誘われていたし。」と、春。
「まぁ、兄さんから部の名前は聞いたことがある位しか…」と桜子。
 時折、社交部の奴らの考えていることが分からないときがある。
 だが、彼らのやった事に間違った様な事はそんなに無かった。
 彼らは、たまに気紛れで行動しているので、社会部と馬が合うらしい。
 部が設立したときから仲が良かった。

ユズキ * 柿生学園騒動記 * 12:54 * comments(0) * trackbacks(2)

招待状〜イベントへの誘い準備期間〜 


2月になり、1月よりも少し冷えてきた感じがした。
何気なく学園に登校した茉莉は、生徒玄関で明らかに自分を待っているであろう男子生徒を見かけた。
「おはようございます、久保田茉莉様。」
「君は――」
「申し送れました。僕は、社交部の者です。部長に、貴方様にこれを渡すようにと言われまして。」
そう言うと、男子生徒は片手に持っていた封筒を茉莉に手渡した。
「では、これで。」
彼は茉莉に一礼すると、校舎へと戻っていった。

茉莉は教室に入り、自分の席に座ると、さっき貰った封筒を手にした。
その封筒の宛名には「社会部 久保田茉莉様」と、裏に返せば、「社交ダンス部」と記されていた。
「あ、久保田っちも貰ったんだね!」
 背後からかけられた声に反応して、振り向くと其処には、同じ社会部の黄山朱氷がいた。
「朱氷…」
すると、彼女もまた茉莉と同じ封筒を見せてきた。
「じゃ〜ん♪私も貰ったのv…貰ったと言っても、靴箱に入っていただけだけどね。」
「もう、こんな時期なんだな。」
「あら、何?ドレスが無かったら、冬先輩に頼んで繕って貰えば良いじゃない?」
「いや、そう言う意味じゃなくて…」
リーン、ゴーン…
HRが始まる合図のチャイムが鳴った。
そのチャイムが鳴ると、席に着いていない生徒たちがバタバタと慌てながら一斉に座りだした。
此処では、“時間厳守”がルールなので、誰もが時間通りに動いている。
朱氷もまた、慌てて席に着いた。
だが、朱氷の席は、茉莉の右隣なので、そこまで慌てなくても良いのではないかといつも思うらしい。
先生が来るまでに、少し時間があったので、その間を縫って朱氷が茉莉に耳打ちをした。
「…そう言えば、もう中身読んじゃった?」
「まだだね」
その問いに、茉莉は即答だった。
「あら、そう。でも、一応放課後までには読んでもらいたいみたいよ。」
「…わかった。」
 

ユズキ * 柿生学園騒動記 * 21:02 * comments(0) * trackbacks(0)

【終業式の日】


 この日は、全員が憂鬱だった。
 春と桜子はゲッソリしていて、孝文と祐二は床に突っ伏せていた。
 始や冬たちは大きなため息をつき、佐野助や麻緒は死に掛けていた。
 朝早くに木更津に呼び出されたと思ったら、「終業式の用意をしてくれ」と一言言われ、全員新体育館に置き去りにされてしまったのだ。
 「30分で済ませてねv」
 それを聞いた時、殆どの奴らが怒りを爆発させ、勢いよく絨毯を敷き詰めた。
 新体育館は、それなりに広いので、全てを敷くのに魔法を使っても20分ほどかかってしまった。
 その上、ステージは何故か全く持って手入れがされていなかった所為か、少しばかりホコリが積もっていた。
「「「これは、終業式に熟睡確定だな!」」」
 この場にいた誰もが、そう思ったと言う。

 結局、全てを終わらせた時には、予定時刻を10分ほど上回っていた。
 これから授業や大掃除も待ち構えていると言うのに、既に社会部は全員クタクタだった。
 
 案の定、殆どの者達が授業時間中殆ど寝てしまっていたので、先生からチョークの嵐が飛び交っていたとか。
 寝る事も許されなかったクラスもあったようだが。

 大掃除の時間はサボり、皆で資料室へと集まり、死に掛けで机へとへばっていた。
「うわーん、益田のヤローが寝させてくれなかったぁ;」と、麻緒。
「選択音楽で、殆ど歌わされた私はどうなるの。」と、朱氷。
「オレは、殆どパソコン画面とひたすら睨めっこしていたが?」と、祐二。
 他にも、「行き成り、抜き打ちテストをやらされた。」とか色々あったそうだ。
 この状態で終業式に出て、あのつまらない話を延々と話す校長の顔を思い浮かべただけで益々終業式に出たくなくなった。

 結局、式が始まる5分前に河村生徒会長+誰もが苦手とする本田祥子が呼び出すのだから行かないわけにも行かないので、出る事になった。
 こんな脅しさえなければ、資料室で疲れをとっていたのに。
 案の定、菅野原校長の話は40分もの間延々と語られた。
 いや、きっと真鍋教頭が合図をしなかったら、きっと1時間半は話していただろう。
 最終的に、終業式が終わったのは昼を回っていた。

 そして、ホームルームが終わると、各々の社会部員がまたも呼び出され、「今度は、片づけをやって頂戴」と、一言。
 しかも、何故かこういうときに限って、祐二の几帳面な性格が出てしまうので、なかなか終わる事が出来ず、泣く泣く全ての作業が終わった時には15時を過ぎていた。
 多分、これも木更津の計算のうちだろうが。

 その上、電車の時間も待たねばならない者や、自転車で2〜3劼泙任瞭擦里蠅鮃圓なければならない者もいる。
 きっと冬休みにも何かしらの呼び出しがあるかもしれないので、何処に行こうと一応警戒しなければならなくなった。
 それを思うと、出るのはため息ばかりだった。


ユズキ * 柿生学園騒動記 * 11:07 * comments(0) * trackbacks(0)

【年末年始の予定】(紅葉寺春編)


もうすぐクリスマス。
もうすぐ末の妹の誕生日。
もうすぐ冬休み。
そして、もうすぐ年末年始を迎える。

 冬休みに入れば、殆ど学校のほうに行く事は無くなる。
 本来なら、学園付属の図書館に行って、そこ専属の司書の先生がいる司書室で友人たちと宿題を持ち合わせて大型連休が開始された2週間で全て済ませる予定なのだが、冬休みはそうはできない。友人たちと言うのは、勿論桜子や由良たちの事だ。
 そう言えば、この世界では、親友や知人に手紙を出す習慣があるようだ。
 面倒だなと思う反面、ちょっと興味があった。
 誰に出そうかなぁと考える事も楽しくなってきた。
 
 年末年始は、殆ど図書館も開くことは無い。
 それつまり、宿題をやらないと言う事。
 どうせ、年末年始は姉たちとともに何かのカウントダウンとか何とかいうテレビなどを見ながら蕎麦を啜っているだろう。
 そして、除夜の鐘がなり始めた頃に初詣への身支度をし、カウントダウンの中継をやっているテレビが終わる頃に安曇神社へと向かうのだ。
 安曇神社には、あたしが通っている学園の同級生が住んでいる。
 その子に、お賽銭をせがむんだ。
 宗教こそは違うけれど、この世界に住む事になっているのだから、参る事くらいはしてもいいだろうと思う。
 
 さぁて、明日は厄介な大掃除と終業式をかねたとても面倒な日だ。
 明日は学校が早く終わるから、帰ってきたら近所のフルーツ市場で柚子の詰め合わせを茉莉ちゃんたちと買いに行こう。

ユズキ * - * 22:13 * comments(0) * trackbacks(0)

久々ですが…

こんばんわ。
えーと、何か最近開いたのですが、Wordの調子が悪くて…と言うか、パソの調子が悪くて、あまり小説とかが書けなくて、塚(パソのほうが)長続きしない;;
すぐ、フリーズするんですよ;;(←言い訳だな

すいませんが、年内に更新できる可能性が低くなりつつあるので、
来年度、更新したいと思いますorz

では!
ユズキ * - * 17:12 * comments(0) * trackbacks(0)

ハロウィン大会 〜準備期間供

−翌日の放課後−

今日も今日とて社会部は、バタバタと校内を走り回っていた。
「木ぃ更津の野郎〜〜〜!!!!」
始の叫び声が廊下に響き渡った。
その隣では、半ば呆れ顔の佑二が一緒に走っていた。
二人は、毎年使い回されているカーテンを見つける為に東の端から西の端を全速力で往復していた。
生憎、この時は木更津が不在の為、カーテンの在り処を知る者は社会部に誰一人としていなかったのだ。
しかも、カーテンは大量にあり、その上一箇所に定まっていないので、どうしても走り回る羽目になってしまったのだ。

「…まだ、半分も見つかっていないのね…」
20分後、十数束の黒い大布(基カーテン)を持って戻ってきた。
「う〜ん、後は何処を探したら良いのかしら…」
悩んでいる社会部の(部室の資料室の)所に一本の電話が。
木更津からだった。
『あー、黒幕?あれなら殆ど演劇部の部室に保管してあるわよぉ?』
「「・・・・・・・・・・」」
この一言に、誰も何も言えなかった。

こうして、全ての暗幕を手に入れた社会部は一息ついて、今日の部活を終了したのだった。



−その翌日−

また、社会部はバタバタと走り回っていた。
「すーぅーちゃーん!!」
「何処だぁー!!何処に隠れている!河村ぁー!!」
今度は、春と始の異母兄妹が叫びながら廊下を走っていた。

因みにこの時、雛子と誠は同じ生徒会の煎園美和と孝文の弟,憲武と共に理事室で寛いでいた。
「はぁー、やっぱり理事室は良いわぁw」
お茶を啜りながら雛子はそう言った。
「――この状況を見たら、アイツらはきっと怒り狂うでしょうね」
彼らを眺めやった美和が、ため息混じりにそう呟いた。
「フッ…まぁいい」
誠は気を取り直してお茶の入った湯のみをテーブルに置き、足を組み替えた。
「さて、諸君。本題に入ろうか」

「気付いているであろうが、ここ数日奴らに動きが見られない」
奴らとは、D−ドミノのことである。
彼らはちょくちょくこちらに脅迫状を送りつけては盛大な悪戯を繰り広げてきた。
警察沙汰にならなかったのは、大半が社会部のお陰である。
「いくら動かないとしても、油断は出来ませんわね…」
「奴らのことだ…どうせ当日に動くかもしれんな」
そうなったとしたら、社会部には大変な大仕事が待ち受けるのだ。
「まぁ、大丈夫だろ。そんな事でくたばる社会部じゃねぇよ。今回のは特に…な」
いつも何を考えて(企んで)いるのか解らない誠は不敵な笑みを零した。
―本当に頼んだぞ、JOKER。

 その時だった。
 バァン!!
 理事室の扉が大きな音を立てて開いた。
「「!?」」
 生徒会全員と木更津が開いた扉に目を向けると、其処には息切れ寸前の春と始の姿があった。
「見ぃ〜つけたぁ!雛ちゃん、河村ちゃん、そしてその他の生徒会役員さん」
「あと、さっきの会話は一部始終聞かせてもらったぞ。木更津」
「あらあらぁ〜、二人とも盗み聞きなんて行儀の悪い」
「「黙らっしゃい!」」
 二人は息ぴったりにそう叫んだ。
「と言うか、お前ら…この扉には鍵がかけてあった筈だか?」
 誠はからかいがてらそう聞くと、春は満足げに答えた。
「フン!そんなの、私を使えば、簡単なことよ♪」
 春は、“鍵人”だ。
 余ほどの難い鍵で無い限り、鍵を解くことは彼女にとって安易なことである。
「春を連れてきて正解だったな。」
 始は理事室にズカズカと入り込み、机の上の菓子を頬張った。
「ま、ヤツらがいつ来ようと、どうせ相手をしなければならないのは俺たちなんだ。」
 始の表情は、険しながらも楽しんでいた。
「やってやろうじゃねぇか」

ユズキ * 柿生学園騒動記 * 17:47 * comments(0) * trackbacks(0)

ハロウィン大会 〜準備期間機

「「「ハロウィン大会ぃ〜!?」」」
社会部の部室である資料室から叫び声があがった。

ハロウィン大会とは、(高等部だけの)毎年恒例行事の一つである。
毎回10月31日に校内で行われるのだ。
生徒会は一週間も前に(理事とともに)10日前からその計画を企てていたのだ。
そして、その事は開催一週間前になって初めて社会部に知らされるのだ。
案の定、社会部全員がいやな顔をした。
「またかよ」と、不貞腐れた始。
「去年散々だったじゃ〜ん」
と、中等部の頃から何かと付き合わされていた春は疲れきった顔で嘆いた。
「ちょっとでもルール変えたら?」と、殆ど他人事のようなな茉莉。

「はい!黙れ♪」

雛子が口々に愚痴を零す社会部員に鶴の一声をあびせた。
社会部の殆どが雛子を睨んだ。

「これは木更津理事長の命令よ♪」
「っつっても、素直に聞く社会部じゃねぇもんな。」
雛子の後ろから、河村誠が姿を現した。

「…貴様にだけは言われたくないぞ、誠。」
部屋の窓際に立っている猪木孝文がそう言い放った。
確かに、社会部の誰よりも融通が利かないのが生徒会。
そして、その中で最も融通が利かないのがこの河村誠だ。
誠は、クックッと喉を鳴らした。
「ま、今回オレ達は関係ないもんな」
鼻息であしらう誠に、ついに春がきれ、誠に指を刺し早口で叫んだ。
「初歩的言葉魔法[マジカルマジック]発動!小・天・誅ぅ!!」
軽く手のひらサイズの火の玉が勢いよく誠の顎に直撃し、誠は倒れた。
 それを雛子が引きずって生徒会室まで持っていった。
「フン!初歩的でくたばるなんて弱いわね」
「あらぁ〜、打ち所でも悪かったのかしらぁ?」
「良い音がしたような…」
「別に言葉呪文「スペリア」でも良かったのに」
「しかも、小だなんて…春ちゃん、もうちょっと大きくても良かったのよぉ?」
「何を仰る!河村ちゃん如きにスペリア使うだなんて、勿体無いわよ。無駄な力の浪費だわ」

 桜子が資料室から顔を出し、周りに誰もいないことを確認した後、部員全員が全ての扉、窓、そしてカーテンまでもを完全に閉め、誰からも見られないようにした。
 そして、会議体制に入った。
 と言っても、始と佑二が教卓に立ち、他の部員たちは広い長机を取り囲むように座り、長机を取り囲んだ部員たちはトランプで遊んでいた。
「えー、今年のハロウィン大会は、今年も予定通り10月最終週の月曜日に行われます。」
 雛子から貰った用紙を片手に佑二が仕切る。
「去年と、ルールも注意事項も全くの変更は無し!」
「ま、どうせ変える気は無いだろうよ」と凍矢。
「と言うか、今回…邪魔者とかは控えて欲しいなぁ…」
ぼそりと願望を呟く朱氷。
それにキッパリと言い放つ孝文。
「それは無理だろうな」
「あ、やっぱり?」

「チーム分けの件だが…去年と同様、春と久保田は絶対に同じチームになってもらう。」
「今回も西の関門かな?」
「今回は北だそうだ。」
社会部は、それぞれの関門の役目をしなければならない。
「はいはーい!」
春が、手を挙げた。
「何だ?」
「お菓子の入ったジャック・オ・ランタンを動かしても良いですかぁ?」
「お菓子がこぼれない程度にな」
「と言うか、動かすのはほんの少しだけで良いんだぞ?」
と、始は春に指摘した。
「解ってるって、兄(あに)ちゃん♪」
その言葉に不安を覚えている始を余所に、春は手を下ろした。
「じゃあ、はい!」
次に朱氷が手を挙げた。
「はい、どうぞ」
「あのぉ…今回の買出しとかってぇ…誰が行くんですかぁ?」
「「「あ」」」
部員たちはピタリとゲームの手を止めた。
「かっ…かみし…」
 凍矢が”上下亨”の名前を言おうとすると、皆がそれをあわてて止めた。
「え!だっ駄目駄目!!上下ちゃんになんか頼んじゃ駄目ぇ!!」
「いけませんわよ!相良先輩!」
「お前、覚えていないのか?あの時の事を!」

あの時の事とは…
 半年前、一度だけ社会部は上下に折り紙などの文具の買出しに行かせたのだ。
 すると1kmほどしか離れていない場所に行ったきり5時間ほど帰ってこなかったのだ。
 待ちくたびれた社会部の目の前に、ボロ雑巾のような上下が何やら頼んだものとは違う大きなものを背負って帰ってきた。
「かみ…した…ちゃん?」
春がぎょっと目を見開いてボロ雑巾のような男を観た。
「どう観ても…折り紙じゃないだろ;;」と、始。
「他に何を頼んだっけ?」と、佐野助に聞く桜子。
「折り紙と…あとはノートと絹糸…だけだったと思うんだが…」
と、指を折りながら買出しの内容を思い出す佐野助。
「どれにも当てはまらない気がするんだが…」冷や汗しかかけない孝文。
上下が背負って帰ってきたもの…それは

「まぁさか、A2程の大きさのキャンバスと色鉛筆と(生きていた)蚕だったとはなぁ」
あの光景は、社会部部員だけではなく生徒会までもが苦い顔をしていた。
上下亨は、生徒会の中でも一二を争う程の、極度の方向音痴と鳥頭の持ち主だ。
そのような奴には、二度と頼むまいと部員全員が心に誓ったのだった。
「じゃあ、どうする?買出し係をこのメンバーの中で決めるか?」
「そっちの方が良いかもね;」
じゃあ、と言って冬が1枚の紙を取り出して、2分でくじを作った。
「この中に、3つアタリ(もしくはハズレ)が入っているわ。それを引いた人が今回の買出し係ねv」
皆がいっせいにくじを引いた。
その結果。
相良凍矢、峰埼麻緒、紅葉寺春が今回の買出し係となった。
「じゃ、明日明後日はこっちをしてもらうから、週末金曜日の放課後、部活終了時刻までには帰ってくるように!」
「へーい」
「うん、解った」
「了解」
こうして、金曜日の放課後、3人は理事長に頼んで1万5千円を貰って買出しに行くことにした。
行く前に、あれ買って来てこれ買って来てとお菓子の他にも余計なものまで言い出したので、凍矢が「必要最低限のものしか買いませんので」と言い残すと、木更津は喋るのを止めてにこやかにこちらにむかって手を振った。


 〜続〜
ユズキ * 柿生学園騒動記 * 21:16 * comments(0) * trackbacks(0)

柿生学園紹介

【柿生学園】
ごく普通の学園。
小中高のエスカレーター式の学園で、そこら辺では(部活等で)名門のエリート校として名を馳せています。
制服は、各等部によって男女異なります。
歴史はまぁまぁ古く、十数年前に理事が代わって以来、有名になった(と言われている)のだ。
その為、周りには敵が多く、(柿生を潰そうとする)近隣校の生徒から暴力沙汰に巻き込まれたこともあったらしい。
それを防ぐために、数年前に生徒会と理事長と校長が立ち上がり、とある部を作った。
その部の名は「社会部」。
普段はエリートとはちょっとかけ離れたような生徒(厄介者)達ばかりを集めていて、
学園内では「地獄の部活」として恐れられている部でもある。

仕事の内容は、主に生徒会から回される雑用、修学旅行などのしおりの作成等。
たまに学園内の見回りをすることをしばしば。

現在、3年生は3人、2年生は4人、1年生は5人存在している。

追記に、主な登場人物紹介。

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ユズキ * 柿生学園騒動記 * 09:30 * comments(0) * trackbacks(0)

ちょっとテストがてら

新しくたててみました。
(一応、テストです。)
内容は、ネタっぽい小説がメインですぅ。
更新は、本家のとは違って不定期ですが、興味のある方だけ、ご観覧下さい。
小説の内容は、オリジナルの学園物語ですぅ。


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ユズキ * - * 16:15 * comments(4) * trackbacks(0)
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